「また肺炎で入院した」
誤嚥性肺炎をくり返しているご家族へ
日本呼吸器学会の診療ガイドラインでは、誤嚥性肺炎は繰り返す病態とされ、治療とあわせて口腔内衛生や食事形態の変更などを同時に検討すると述べられています。当院は摂食嚥下(飲み込み)を中心に取り組む歯科医院として、お口と飲み込みの側面からお手伝いします。通院が難しい方はご自宅・施設へ伺い、通院できる方は外来(完全予約制)で承ります。
※ 肺炎そのものの診断・治療は医科の領域です。当院が担当するのはお口と飲み込みの側面であり、医科の主治医の治療と並行して関わります。診療の効果・改善には個人差があり、結果を保証するものではありません。
こんなご状況ではありませんか
「歯医者に相談することなのか分からない」という段階のご連絡で構いません。ご家族だけのご相談も承ります。
1年のうちに何度も肺炎で入院している。退院しても、またすぐに繰り返すのではないかと不安。
「食事に気をつけて」と言われたが、何をどう気をつければよいのか具体的に分からない。
食事の様子を見ているかぎり問題なさそうなのに、なぜ肺炎になるのか分からない。
食べる量が落ちて体重が減っている。このままで大丈夫なのか判断がつかない。
通院が本人にも家族にも負担で、口の中がどうなっているか長く確認できていない。
病院は退院すると終わり、ケアマネジャーにも歯科のことは聞きにくい。相談先が見つからない。
なぜくり返すのか
以下は、日本呼吸器学会「成人肺炎診療ガイドライン2024」および厚生労働省の統計にもとづく一般的な説明です。個別の原因は診察のうえで確認します。
repeatガイドラインは「繰り返す病態」と位置づけています
- 同ガイドラインには「誤嚥性肺炎は繰り返す病態であり、肺炎を治療している間でも誤嚥する危険性がある」と記されています
- そのうえで「そのため、口腔内衛生、食事形態の変更、向精神薬やプロトンポンプ阻害薬の適正使用も同時に検討する」とされています
- また、入院した方には身体的リハビリテーションのみならず、呼吸リハビリテーション、嚥下リハビリテーションの必要性が提唱されているとも述べられています
- つまりガイドラインは、肺炎そのものの治療と並行して、口腔内衛生・食事形態・お薬の適正使用を検討することを示しています。当院が担当するのは、このうちお口と飲み込みの部分です
※ お薬の内容を判断されるのは処方している医師です。当院が薬の内容を単独で変更することはありません。自己判断で中止・変更なさらないでください。気になる点は当院から主治医の先生へ情報提供する形でお手伝いできます。
volume_off「むせていない」ことは、誤嚥していない証拠にはなりません
- 同ガイドラインでは、誤嚥は顕性誤嚥と不顕性誤嚥に分類されるとされています。前者は飲食の際などに明らかにむせこむ誤嚥、後者は咳嗽(がいそう)反射の著しい低下によってむせこみがみられない誤嚥です
- そして「誤嚥性肺炎の多くは後者によって発症するため、診断が困難なことも少なくない」と記されています
- さらに「嚥下機能は同じ宿主においても日内変動するものであり、日中に異常がみられなくとも睡眠中に低下することがある」とも述べられています
食事の場面だけを見て「うちは大丈夫」と判断できないのは、このためです。ご家族が気づけなかったことを責める必要はありません。
insights決して珍しい状態ではありません
- 厚生労働省「令和6年(2024)人口動態統計(確定数)」によると、誤嚥性肺炎は死因順位の第6位で、死亡数は63,667人、死亡総数に占める割合は4.0%とされています
- ご家族が直面されている状況は、多くの方が同じように向き合っているものです。相談先を探すのが遅すぎる、ということはありません
出典:厚生労働省「令和6年(2024) 人口動態統計(確定数)の概況」第8表(死因簡単分類 10601)。調査の実施主体=厚生労働省、調査の範囲=令和6年の日本国内の全死亡(死亡総数1,605,378人)、実施時期=令和6年(2024年)。順位は、死因順位に用いる分類項目(死因簡単分類表から主要な死因を選択したもの)による順位です。
当院がお手伝いできること
成人肺炎診療ガイドライン2024では、誤嚥性肺炎の診療に求められる全人的ケアの要素として、診断・治療・嚥下・栄養・基礎疾患管理・予後予測・意思決定支援・予防・症状緩和・口腔管理・リハビリテーション・多職種チームの12個が挙げられています。当院がお引き受けするのは、このうちお口と飲み込みの部分です。
stethoscope飲み込みの状態を確認します
お口の中、舌や頬の動き、むせ方、実際の食事の様子などを確認します。ガイドラインでは嚥下造影検査・嚥下内視鏡検査がゴールドスタンダードとされ、反復唾液嚥下テストなどがスクリーニング法として挙げられています。当院で行える範囲と、医科での検査をお勧めする場合の判断をご説明します。
cleaning_servicesお口の状態を整えます
むし歯・歯周病・合わない入れ歯・お口の乾燥など、飲み込みの土台になる部分に対応します。ご家族や介護される方が日々どこをどう見ればよいかもお伝えします。
restaurant_menu食事の形を一緒に考えます
今の飲み込みに対して、きざみ・とろみ・水分の取り方をどう調整するか、姿勢や介助のペースをどう見るかを、歯科の立場からご説明します。制限を増やす方向だけの助言はしません。
fitness_centerお口・のどの訓練の指導
状態に合わせて、お口やのどの機能を保つための訓練・体操などをご提案します。実施の可否や内容は状態により異なります。
groups関わる方々との連携
主治医の先生、担当のケアマネジャーさま、訪問看護・訪問介護の方々、施設のご担当者さまへ、診療内容とお口・飲み込みの状態を書面でご報告します。ご家族が間に立って伝える負担を減らします。
record_voice_overご本人・ご家族へのご説明
「なぜ食べ方を変える必要があるのか」をご本人にお伝えする場面もお引き受けします。ご家族だけで説得しようとして関係がこじれてしまう前に、ご相談ください。
※ 当院が行わないこと。肺炎そのものの診断・治療(抗菌薬による治療を含む)は医科の領域であり、当院は行いません。お薬の内容を単独で変更することもありません。診療の効果・改善には個人差があり、結果を保証するものではありません。
通院できる方は外来、難しい方はご自宅・施設へ
どちらが適しているかは、ご本人の状態とご家族のご事情によります。迷われる場合はご相談ください。
directions_walk外来(完全予約制)
ご自身で通院できる方は、東京都世田谷区奥沢(自由が丘エリア)の当院へご来院いただけます。設備のある場所でお口と飲み込みの状態を確認できます。完全予約制ですので、まずはお電話または相談フォームからご予約ください。
health_and_safety訪問診療(健康保険)
ご高齢・ご病気で通院が難しい方のご自宅・施設へ伺います。健康保険が適用される範囲で、訪問歯科診療・口腔ケア・嚥下に関する診療を行います。対象は世田谷区を中心とした近隣エリアが目安です。
home_health訪問診療(自由診療・自費)
保険の枠にとらわれず、時間をかけた評価・指導をご希望の場合の選択肢です。全額自己負担となります。対応エリアは東京都・神奈川県の全域が目安です。費用・リスクは下記および料金のページをご確認ください。
ご相談から診療までの流れ
資料がそろっていなくても構いません。まずは今の状況をお聞かせください。
お電話・フォーム
肺炎の経過、いまの食事の内容、通院の可否、ご住所などを伺います。ご家族だけのご連絡で構いません。
外来か訪問かのご相談
ご本人の状態とご事情をふまえて、ご来院いただくか、ご自宅・施設へ伺うかを決めます。保険か自費かもここでご説明します。
お口と飲み込みの確認
ご本人の同意のうえで、お口の中と飲み込みの状態、実際の食事の様子などを確認します。
ご説明と方針のご相談
今どのような状態にあるのか、何ができて何が難しいのかを率直にお伝えし、ご希望を伺いながら方針を決めます。
診療と、関わる方々へのご報告
口腔ケア・入れ歯の調整・訓練の指導などを行い、内容を書面でご報告します。状態の変化にあわせて見直します。
対応エリア
当院は東京都世田谷区奥沢(自由が丘エリア)にあります。
健康保険を用いた訪問診療|世田谷区を中心とした近隣エリア
自由診療(自費)による訪問は、東京都・神奈川県 全域が対応の目安です(交通費等が別途かかる場合があります)。全国への対応は行っておりません。
通院できる方は外来(完全予約制)でも承ります。医院の場所・診療時間はアクセス・診療時間をご覧ください。
エリア別のご案内(訪問歯科)
費用の考え方
payments保険診療と自由診療(自費)
- 健康保険を用いた診療の場合、窓口でのご負担は法令にもとづく自己負担割合です
- 介護保険をお使いの方が対象となる居宅療養管理指導は、介護保険の区分支給限度基準額の対象外とされており、ケアプランの枠を消費しません
- 自由診療(自費)をご希望の場合は全額自己負担となります。費用と回数の目安は、評価とご説明のうえでお伝えします
- どちらが適するかは状態やご希望により異なります。ご相談の段階でご説明しますので、先に決めていただく必要はありません
※ 自由診療には、むせ込み・一時的な疲労・不快感などが生じる可能性があります。診療の効果・改善には個人差があり、結果を保証するものではありません。ご不明な点は 03-6459-7970 または相談フォームへお問い合わせください。詳しくは料金についてをご覧ください。
※ 居宅療養管理指導が区分支給限度基準額の対象外である旨は、厚生労働省の資料(社会保障審議会 介護給付費分科会 参考資料「区分支給限度基準額」)にもとづく記載です。介護保険・医療保険の制度は改定される場合があります。最新の取り扱いは保険者(市区町村)へご確認ください。
正直にお伝えすること
info「必ず良くなります」とは申し上げません
- 成人肺炎診療ガイドライン2024では、繰り返す誤嚥性肺炎は老衰の終末期として捉えることができるとされています。そして、誤嚥を繰り返す難治性の場合には、全身状態を考慮しつつ、患者本人・家族・医療者が一体となって緩和的なケアを検討することも重要であると述べられています
- 同ガイドラインでは、肺炎の予防に口腔ケアを「弱く推奨する」とされ、エビデンスの確実性は「弱い」と評価されています。口腔ケアで肺炎を防げると保証することはできません
- それでも、お口の状態を整えること、飲み込みに合った食事の形を一緒に考えること、ご家族が判断に迷う場面でご説明することはできます
- いま、どの段階にあるのかを含めて、率直にお話しします。方針を決めるのはご本人とご家族です
出典:日本呼吸器学会「成人肺炎診療ガイドライン2024」。医学的な判断は個々の状態により異なります。実際の治療方針は主治医の先生とご相談ください。
当院での診療の実例
誤嚥性肺炎をくり返していた方に、実際にどのような流れで関わったのかを当院がまとめた症例としてご紹介しています。
※ 個人が特定されないよう内容を再構成しています。診療の効果や経過には個人差があり、同様の結果を保証するものではありません。実例の一覧はこちら。
あわせてご覧ください
よくあるご質問
入院中でも相談できますか?
食事のときにむせていないのに、なぜ肺炎になるのですか?
歯医者に相談することなのでしょうか。呼吸器内科ではないのですか?
口腔ケアをすれば肺炎は防げますか?
通院できる場合は、伺うのではなく来院したほうがよいですか?
お薬が原因ということもあるのでしょうか。
費用はどのくらいかかりますか?
対応しているエリアを教えてください。
本人が「必要ない」と言っています。家族だけで相談してもよいですか?
施設に入所していますが、施設からでないと頼めませんか?
何度も肺炎をくり返しています。もう手の打ちようがないのでしょうか。
本ページの医学的な記載は、次の資料にもとづいています(2026年8月時点)。
日本呼吸器学会「成人肺炎診療ガイドライン2024」/厚生労働省「令和6年(2024) 人口動態統計(確定数)の概況」。
記載は一般的な説明であり、個々の患者さまの診断・治療方針を示すものではありません。実際の治療方針は主治医の先生とご相談ください。診療の効果・改善には個人差があり、結果を保証するものではありません。
「これは歯医者に相談することなのか」
の段階で、お声がけください。
ご本人・ご家族はもちろん、担当のケアマネジャーさま、訪問看護・訪問介護の方々、施設のご担当者さま、病院の医療ソーシャルワーカーさまからのご連絡も承ります。ご家族だけのご相談で構いません。
go-en.デンタルクリニック|〒158-0083 東京都世田谷区奥沢5-31-17 ARBOS 1-B
※ 肺炎そのものの診断・治療は医科の領域であり、当院は行いません。診療の効果・改善には個人差があり、結果を保証するものではありません。